診療スタッフ

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  • 氏名
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  • 外来担当曜日
  • 教授
  • 野守 裕明
  • 昭和54年卒
    外科専門医、呼吸器外科専門医、
    気管支鏡専門医
  • 火曜日
  • 准教授
  • 川村 雅文
  • 昭和57年卒
    外科専門医、呼吸器外科専門医、
    気管支鏡専門医、がん治療認定医
  • 月曜日
  • 准教授
  • 堀之内 宏久
  • 昭和57年卒
    外科専門医、呼吸器外科専門医、
    気管支鏡専門医、がん治療認定医
  • 木曜日
  • 講師
  • 渡辺 真純
  • 昭和60年卒
    外科専門医、呼吸器外科専門医、
    気管支鏡専門医、がん治療認定医、
    呼吸器学会専門医
  • 水曜日
  • 助教
  • 泉 陽太郎
  • 平成2年卒
    外科専門医、呼吸器外科専門医、
    気管支鏡専門医、がん治療認定医
  • 金曜日
  • 助教
  • 河野 光智
  • 平成5年卒
    外科専門医、呼吸器外科専門医、
    気管支鏡専門医、がん治療認定医
  • 月曜日(午後),
    土曜日(第一,第三以外)

外来受付は月〜土の午前8時40分〜11時(第1、3土は休診)、月曜午後は1時30分からです。原則として予約制ですが、ご連絡頂ければ予約外の診療も可能です。夜間、休日も当直医が対応致します。 なお、特定機能病院のため外来初診時に基本的には他院からの紹介状が必要となります。紹介状をお持ちでない場合は5000円が加算されます。

<レジデント>

黒田浩章
杉浦八十生
中山敬史
橋本浩平

<大学院生>

朝倉啓介
高橋祐介
福冨寿典
山内良兼


診療の概要

当科では肺およびその他の胸部臓器の疾患を扱っています。
肺癌を始めとして、転移性肺腫瘍、胸膜中皮腫に対する手術や化学療法、良性肺腫瘍の切除や、診断目的の肺の手術を行っています。
その他、甲状腺の腫瘍、重症筋無力症や縦隔腫瘍における胸腺、縦隔の手術、気胸、肺結核、肺非定型抗酸菌症、膿胸、胸部外傷、横隔膜や漏斗胸、胸壁腫瘍などの胸壁に対する手術を行っています。
手掌多汗症に対する胸部交感神経切除術も行っています。
このように扱う疾患は多種、多様で、あらゆる呼吸器外科手術が可能です。

現在当科で一番多く治療にあたっている病気は肺癌です。
肺癌治療では手術を始め、放射線治療、化学療法、分子標的治療が四つの柱となっておりますが、患者さんに適した治療法の組み合わせの決定には専門的な知識と豊富な経験が必要です。
肺癌の根治性を損なわずに呼吸機能の温存を目的とした肺区域切除術や気管気管支形成術、低侵襲を目指した胸腔鏡を併用した肺癌手術は良好な成績を挙げております。
また手術治療だけではなく、手術の前あるいは後に抗癌剤治療を必要に応じて放射線と組み合わせて行っています。
使用する抗癌剤の種類の決定については感受性試験を用いた工夫も行っています。
また、他診療科との綿密な連携で、心臓その他の病気を合併した患者さんにも対応できる点は、総合病院の利点です。

慶應義塾大学病院呼吸器外科の特徴

肺癌は元より、腫瘍ではない呼吸器の病気で手術を必要とする病気にも積極的に取り組んでいます。
入院待機期間は2週間から4週間ほどですので、手術待機期間中に病気が悪くなることはありません。
特に肺癌の一部は増殖速度が速く、腫瘍が2倍に増える時間(tumor doubling time)の平均値は腺癌では220日、扁平上皮癌では115日と言われています。
2倍に増殖すると転移する危険性はかなり高くなります。
そのため肺癌の疑い、あるいは肺癌と診断された場合にはなるべく速やかな検査あるいは手術が必要です。当院は肺癌の患者さんには検査、入院を迅速に行います。
肺癌は手術をしても100%治る病気ではありませんが、私どもは万が一再発しても、抗がん剤や放射線治療をはじめできる限りの治療を行います。
私どもの得意とする疾患に対する具体的な診断、治療方法を疾患ごとに述べます。

早期肺癌に対する肺区域切除

肺癌に対しては通常、肺葉切除という手術が行われます。
多くの場合、右では右肺の1/3を、左では左肺の1/2を切除する、という大きな手術です。

この切除は胸腔鏡の手術でも同じで、術後の肺機能はその分低下して、体力の低下につながります。
それに対して区域という小さな肺の部分を根元から切除する区域切除という手術があります。

肺葉切除が術後肺機能を約80%に低下させるのに比べて、区域切除は90%ほどにしか低下しません。

そのため区域切除の術後は肺葉切除に比べて体力の低下が明らかに少なくなります。
心配なのは「肺を小さく切除するために術後に再発することはないか?」ということです。
これに対していくつかの報告がありますが、最近、日本から発表された数施設のデータの集計では、区域切除は肺葉切除と同等の治療成績であることが発表されています。

正確にはこれからさらに科学的にデータを集計して結論を出す必要があり、その結論が出るのは2020年以降になります。そのため、現時点では患者さんごとに説明して、肺区域切除を行うか否かを決めています。

5cm以下の肺癌に対する胸腔鏡下肺葉切除術

5cm以下の肺癌でリンパ節転移がなさそうな場合で、患者さんが肺葉切除を希望する場合には、胸腔鏡下で肺葉切除を行っています。
脇の下に約6cmの皮膚切開を加えて、さらに小さな穴を3箇所開けて、肺葉切除を行います。

この手術の特徴は、「傷が小さいので術後早期2週間以内の痛みが、開胸手術に比べて少ない」ということです。
痛みが少ないので、術後4−5日でも退院できます。
胸腔鏡下 肺葉切除術の治療成績も良好で、グラフは診療部長「野守裕明」の経験した症例における術後生存曲線ですが、開胸手術と同等あるいはそれ以上の治療成績を得ています。

進行肺癌に対する術前放射線化学療法後の手術療法

肺の周囲に浸潤している肺癌やリンパ節転移のある肺癌に対しては手術前に放射線療法と抗がん剤治療を行って、腫瘍を小さくして、腫瘍の勢いを弱めてから手術をした方が、術後の再発が少ないことが報告されています。

グラフは診療部長「野守裕明」が経験した進行肺癌症例における術後生存曲線です。
進行肺癌ですので、生存曲線も早期に比べると低いですが、手術をしなければほとんど助からない進行肺癌に対して、放射線化学療法で腫瘍や転移が縮小した症例においては、40%近い患者さんが助かっています。

局所進行肺癌に対する拡大合併切除術

局所進行癌で,転移のない場合には浸潤している臓器を一緒に切除することにより治癒が期待でき,当院ではそれに対しても積極的に取り組んでおります。心臓の一部、大動脈の一部さえも積極的に合併切除していておりますが、現在までに手術死亡はありません。

気管支の中枢にできた肺癌に対する気管気管支形成術

気管や太い気管支に浸潤している癌は通常ですと手術不能、あるいは肺全摘を必要とすることがありますが、私どもは30年前より気管・気管支の癌の浸潤部位のみを切除して肺を温存することを積極的に行っています。
肺を温存することにより肺の機能が温存され、その後の日常生活への支障を極力おさえることができます。
この手技は熟練を要しますが、私どもはその経験数が豊富です。

小さな肺の腫瘤性病変に対する透視CTガイドを用いた針生検

最近の検診の発達により小さな肺腫瘤が頻繁に見つかるようになってきましたが、それが肺癌か否かを診断するには生検、すなわち組織の一部を採取して顕微鏡で見る検査が必要です。
通常行われる気管支鏡検査では診断が困難な場合が少なからずあります。
それに対して私どもは、透視CTを用いて病変に針を刺して組織を採取して、ほとんどの病変の診断をしております。通常のCTを用いる場合に比べて、はるかに診断できる確率は高くなります。

小さな肺腫瘍に対する術前マーキング後の切除術

小さな肺腫瘍は手術中に目で見ても触っても判らないことが多くあります。そのため経過観察する場合もありますが、癌の場合には小さいからこそ、小さく切除して治すことができる、またとないチャンスです。
そのため小さくても肺癌の疑いが強い場合や、肺癌とすでに診断がついた場合には、術前に造影剤や針によるマークを行い、積極的に手術をします。

図は微小肺癌ですが、それに対してリピオドールというリンパ管の造影に用いる造影剤をCT室で病変に注入し、それをマークに切除した症例です。

この腫瘍は6mmの早期肺腺癌でしたので、肺の一部を部分切除したのみで治癒しました。

転移性肺癌に対する外科治療

多くの種類の癌が肺に転移をします。しかしある種の癌で,転移の個数がそう多くなく、原発巣が完全切除されている場合には、肺の転移巣を切除することにより治癒する、あるいは余命が延長することが知られています。
そのため「転移をしたからもうだめだ」とあきらめないで、肺転移巣が切除可能かどうか受診することが勧められます。

転移性あるいは原発性肺癌に対する凍結療法

癌の肺転移の数が多すぎて切除できない、また転移のできた場所が肺の根元のそばにある場合には、切除できないことがあります。また原発性肺癌が見つかっても体力がない、あるいは高齢であるために切除が危険である場合には、当院では凍結療法という方法を用いて治療をしています。
この治療は局所麻酔で行うことができ、直径2〜3mmの凍結用の針をCTを見ながら肺の腫瘍に刺して腫瘍を凍らせて腫瘍細胞を破壊します。現在まで200例以上の経験がありますが、重い副作用は見られていません。また、直径2cm以下の腫瘍であれば約80%の成功率で制御できるというデータが得られています。ただし、まだ認可された治療ではないので自費診療となります。

縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下切除術

良性の縦隔腫瘍あるいは小さな胸腺腫の切除には胸腔鏡手術で腫瘍の完全切除を行っています。図は胸腺腫胸腺全摘術に対する胸骨正中切開ですが、胸の中央の胸骨を縦に切開して胸を開けて切除します。

それに対して胸腺腫が3cm以下で浸潤していない場合には、左右の胸に小さな孔を3箇所ずつ計6箇所開けて、完全に胸腺腫と周囲の胸腺組織を切除することができます。

気管や気管支の狭窄に対する拡張治療

癌あるいは良性の瘢痕により気管あるいは気管支が狭窄をして息が辛くなったり、肺炎となったりすることがあります。それに対してステントという管を細い気管や気管支に入れて拡げたり、レーザー等で細いところを焼いて拡げる必要があります。
私どもはステントの挿入やレーザー治療を多く手かげております。特にステント治療は診療部長の「野守裕明」が1992年より国内では最初に手がけ、その経験が豊富で国際的にも高い評価を受けています。

次世代の気管支鏡検査

気管支鏡検査は肺の病気の診断の中心にある技術です。
消化管での胃カメラに相当します。私どもは従来の検査をなるべく楽に行って頂けるように麻酔方法などを工夫するとともに、蛍光内視鏡、超音波内視鏡やCT画像を用いたナビゲーションシステムなどを導入してより高い診断精度を追求しています。

慢性膿胸に対する開窓術後の筋弁・筋皮弁・大網弁を用いた治療

昔に罹った膿胸(結核のことが多い)が何年も経過した後に再発した有瘻性(気管支と膿胸腔が交通すること)の場合には、内科治療ではまず治りません。当院では開窓術(胸壁を切除して,膿胸腔を開放すること)を行い,後に胸壁の筋肉,あるいはさらに皮膚をも用いて膿胸腔を充填することを行っています。特に筋弁もしくは筋皮弁を用いた膿胸根治法は当院では1990年より現在まで50例以上に行っており、経験が豊富です。


セカンドオピニオン外来について

呼吸器外科の病気に関する診断、治療について他の医師の意見も聞いてみたいという方は、遠慮なくご相談ください。呼吸器外科専門医が、専門的に、詳しく、説明いたします。セカンドオピニオン外来は予約制です。詳細は下記をご参照下さい。 http://www.hosp.keio.ac.jp/annai/2ndOpini/2ndOpini.htm

診療連携施設(2009年現在)

秋田大学医学部第2外科、足利赤十字病院呼吸器外科、永寿総合病院、川崎市立井田病院、 川崎市立川崎病院、亀田総合病院、国立病院機構神奈川病院、国立病院機構茨城東病院、国立病院機構東京医療センター呼吸器外科、国家公務員等共済組合連合会立川病院、埼玉医科大学総合医療センター呼吸器外科、さいたま市立病院呼吸器外科、埼玉社会保険病院、済生会宇都宮病院、済生会横浜市東部病院、昭和大学藤が丘病院、帝京大学医学部外科、都立駒込病院、横浜市立市民病院。

教授『野守裕明』より研修医の先生方へ

医療とは患者を全人的にとらえ「尊重と敬愛の念」をもってサービスを行うことを基本とします。 しかしどの科の診断や治療においても、積極性と危険性は裏腹の関係にあります。 すなわち高度の診断や治療を積極的に行おうとすると、通常より誤診あるいは治療による合併症の危険性が増すことがあります。 しかし時にはそれを乗り越えないと、医療の基本である「患者に対する尊重と敬愛の念」から遠ざかっていきます。 先生方のほとんどが家族あるいは自分が病気になったときに「もっと優れた診断・治療はないものか?」と思ったことがあると思います。 「もっと優れた診断・治療」をするためには、時には危険性のある医療行為を行う必要に迫られることがあります。 その際に知識や技術力が不足していると消極的になり、患者は治らなかったりすることがあります。 そのためにどの科においても若い時代にその知識や技術力を身につけることは重要です。

外科学の場合は患者さんに人為的侵襲を加えることによって診療を行う、すなわち合法的に人体にメスを入れることにより成り立つ医療です。 そのため外科医師には、患者にメスを入れることに対する責任が生じます。 その責任を果たすことを我々外科医は常に心に留めておかなくてはいけません。 もちろん最初からできることではなく、ある期間の修練が要り、名実共に専門医になるには呼吸器外科の分野では少なくとも10年間はかかります。 近年、若い医師あるいは学生から、そのように責任が重く一人前になるのに時間のかかる外科は敬遠され、どの病院でも外科医不足に悩まされています。 しかし逆に言うと外科医ひとりひとりの存在価値が高まってきています。 外科の中でも呼吸器外科は最近になって診療科として独立した経緯から、呼吸器外科医の数は特に少なく、どの病院でも最も欲しい外科医のひとつです。 これから社会の高齢化がさらに進み、肺癌を始め呼吸器の疾患は確実に増え、呼吸器外科医の需要はあなた方がリーダーシップをとる20年後までは必ず増え続けます。 自分の進む道を選ぶのに、目先の状況よりは、自分が最も活躍できる10-30年後の社会を見据えて決める方が、将来生きがいをより高く持てるのではないでしょうか。

若いうち、特に30歳前半までの教育環境はとても重要です。 「優れた教育環境」とはなかなかあるものではありませんが、それを若い時期に選ぶことは医師としての人生を決定づける重要な課題です。 当科の教育目標は一流の呼吸器外科医の育成です。約3年間で呼吸器外科医に必要な基本技術を身に付けられるよう徹底した指導を行います。 また、興味のある基礎あるいは臨床研究を選び経験することにより、将来研究をデザインできる素養を養います。 希望があれば大学院に進み基礎研究を体験することも可能ですし、大学以外の施設や海外での研修も2−3年経験することが可能です。 慶應義塾大学医学部では、慶應の卒業生の比率が当然多い傾向にはありますが、他大学出身者にも活躍の場は同等に与えられています。 当呼吸器外科では学位の取得率、関連病院の医長・部長の割合において慶應出身者と他大学出身者の間にまったく差はありません。 当呼吸器外科学教室は歴史が古く、日本の呼吸器外科の診療、研究をリードしてきた経緯もあり、呼吸器外科基幹病院に多くの先輩を輩出しています。 従って診療連携施設(いわゆる関連病院)は2009年の時点で21施設あり、 十分な能力に達した者は後期臨床研修医(レジデント)修了後にそれらの施設への出向が可能です。 募集方法は、原則として初期臨床研修終了時に希望者をつのりますが、 外科専門医取得に必要な症例数をすでに経験し、呼吸器外科を志望される方々も歓迎しています。
また、慶應で後期研修を受けなかった先生方の中途採用も大歓迎です。
興味のある方はぜひご連絡下さい。


お問い合わせ

後期臨床研修に関するお問い合わせ

   keiothoracicsurg@gmail.com

連絡先

〒160 - 8582 
新宿区信濃町35
慶應義塾大学医学部 呼吸器外科
TEL:03-3353-1211(内線62333)